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第7話 「最後の仕事人! レンダラーの全てを暴け」


Three.js ってなんだろう? カエル君と学ぶ、ブラウザ3Dの不思議な世界

この物語は、Three.jsを楽しく学ぶことを目的に、生成AIを活用して執筆されています。 技術的な情報の正確性には細心の注意を払っていますが、その内容がすべて真実であることを保証するものではありません。 あくまで学習の補助ツールとして、肩の力を抜いてお楽しみください。


登場人物紹介

  • カエル君: 最近プログラミングを学び始めた元気なカエル。まだ知らないことばかりだけど、好奇心は人一倍。「〜ケロ」という口調が特徴。
  • 三郎先生: 3DグラフィックスやWeb技術にとても詳しい物知り博士。どんな質問にも優しく答えてくれる。

第7話:最後の仕事人! レンダラーの全てを暴け

カエル君: 「先生! シーン、カメラ、オブジェクト…これまでたくさんのことを学んできたんだケロ。でも、最後に残された最大の謎、それが renderer.render(scene, camera) の一行なんだケロ! この『レンダラー』こそが、全てを画面に映し出す最後の仕事人…。こいつの正体を、今日は丸裸にしてやりたいんだケロ!」

三郎先生: 「はっはっは、カエル君、すごい意気込みだ。ついにラスボスに挑む気分だね。よろしい、今日はそのレンダラーの全てを語ろう。レンダラーは単なる『画家』ではない。シーン全体の『現場監督』であり、GPUに対する唯一の『司令官』なんだ。」

カエル君: 「司令官! カッコいいんだケロ! その司令官は、render 命令が出た後、一体どんな仕事をしているんだケロ?」

三郎先生: 「よし、司令官の仕事の流れを順に見ていこう。これは、CPU(頭脳)とGPU(超絶技巧の絵描き専門家)の壮大な共同作業だ。」

レンダラーの処理フロー:壮大なるリレー

三郎先生:renderer.render(scene, camera) が呼ばれると、まずCPU側で周到な準備が始まる。」

ステップ1:フラスタムカリング(Frustum Culling) 「最初に、カメラの視界(視錐台)に全く入っていないオブジェクトを、描画対象からごっそり除外する。遠すぎて見えない、横すぎて見えない、そんなオブジェクトを計算するだけ無駄だからね。これが最初の選別作業だ。」

カエル君: 「なるほど! 無駄な仕事はしない、効率的な司令官なんだケロね。」

ステップ2:シーングラフ解析と行列計算 「次に、描画対象に残ったオブジェクトたちの親子関係をたどり、それぞれの最終的なワールド座標を計算する。これは第四章、第五章で学んだ通りだね。」

ステップ3:WebGL命令への大翻訳 「ここが司令官の腕の見せ所だ。シーンという人間が理解しやすい情報を、GPUが唯一理解できるWebGLの言葉へと翻訳していくんだ。」

  • ジオメトリ(形) は → 頂点バッファ(座標の数字の羅列)
  • マテリアル(素材) は → シェーダー(ピクセルをどう塗るかの計算プログラム)
  • オブジェクトの位置や色、光源の情報 は → ユニフォーム変数(シェーダーに渡す設定値)

カエル君: 「うわー、ここで全部がバラバラの部品に翻訳されるんだケロ…。」

ステップ4:GPUへの命令発行(ドローコール) 「翻訳した部品をGPUに転送し、『この頂点データとこのシェーダーを使って、三角形を描け!』という命令を出す。この命令こそが**ドローコール(Draw Call)**だ。これがCPU側の最後の仕事になる。」

ステップ5:GPUによる超並列計算 「命令を受け取ったGPUは、その本領を発揮する。何千もの小さなプロセッサが、一斉に、並列で、頂点の位置を計算し、無数の三角形を作り、どのピクセルを何色で塗るかを猛烈な勢いで計算していく。」

ステップ6:Canvasへの最終描画 「計算が終わると、完成した2Dのイメージが生成される。レンダラーは、そのイメージをHTMLの<canvas>要素に転送し、我々の目にようやく絵として映る、というわけさ。」

カエル君: 「はぁ〜〜…。僕たちが書いたたった一行の裏で、そんな壮大なリレーが行われていたなんて…。感動で言葉も出ないケロ…。」

パフォーマンスと開発者が知るべきこと

カエル君: 「でも先生、これだけ大変な処理をしているのに、ブラウザでスイスイ動くのはなぜなんだケロ? パフォーマンスは大丈夫なんだケロか?」

三郎先生: 「良い質問だ。WebGLとGPUのおかげで、この処理は驚くほど速い。だが、無敵ではない。開発者がパフォーマンスを意識することは非常に重要だ。そして、ボトルネック(処理が詰まる場所)は、多くの場合GPUの計算速度そのものではなく、ステップ4のドローコールの回数なんだ。」

カエル君: 「ドローコール!? GPUへの命令回数だケロ?」

三郎先生: 「その通り。CPUからGPUへの命令発行は、実は結構コストが高い処理なんだ。司令官が兵士一人一人に個別の命令を出すのを想像してごらん。兵士が1万人いたら、命令だけで日が暮れてしまうだろう? GPUという兵士は超優秀でも、司令官の命令が多すぎると、全体として遅くなってしまうんだ。」

カエル君: 「なるほど! じゃあ、開発者はどうすればいいんだケロ?」

三郎先生: 「司令官(レンダラー)が賢く働けるように、我々が心がけるべきポイントがいくつかある。」

  1. ドローコールを減らす: これが最も重要だ。例えば、1000個の同じ形のオブジェクトを描くのに1000回命令するのではなく、「この形のオブジェクトを、これらの1000個の場所に一気に描け!」と1回で命令する(InstancedMesh)。あるいは、複数のオブジェクトをプログラム上で一つに合体させてしまう(ジオメトリのマージ)。これが、司令官への最高の思いやりだ。

  2. ポリゴン数とテクスチャサイズを管理する: 3Dの基本だね。不必要に細かすぎるモデルや、巨大すぎる画像は、GPUに送るデータ量を増やし、パフォーマンスを低下させる。

  3. ライトとシャドウは高コストだと知る: 特に、動くオブジェクトが落とす動的な影の計算は、レンダラーの仕事の中でもトップクラスに負荷が高い。本当に必要か、よく考えることが大事だ。

  4. レンダラーのオプションを理解する: new THREE.WebGLRenderer({ antialias: true }) のように、アンチエイリアス(ギザギザを滑らかにする処理)を有効にすると綺麗になるが、少し負荷が上がる。また、renderer.setPixelRatio(window.devicePixelRatio) を設定すると、高解像度ディスプレイでくっきり表示されるが、その分描画するピクセル数が増える。これらはトレードオフの関係にあることを知っておこう。

カエル君: 「うおおお…! レンダラーを使いこなすことは、司令官を上手に動かすことなんだケロね! パフォーマンスの謎まで解けて、これでThree.jsの全てが繋がった気がするんだケロ! 先生、本当にありがとうケロ! ピョンピョンピョーーーン!」

三郎先生: 「よくぞここまでついてきた、カエル君。君はもう立派な3D世界の探求者だ。だが、本当の冒険はここから始まる。今日学んだ知識を武器に、君だけの世界を創造していくんだ。いつでも応援しているよ。」


(第8話へつづく)